介護福祉への想い


開催への想い。

私が介護の職に就いていたのは約七年になります。老人ホームと合わせると約十年勤めたことになります。

演劇だけでは食えない中、何か仕事を始めようと思い色々と調べた結果介護職に興味を持ちました。

理由としては面白そうという興味と向いているのではないかという根拠のない自信からです。

当時はまだホームヘルパーという仕事が出来たばかりのこともあり、現場は混沌としていました。

とにかく人が辞める。辞めたら穴埋めに走り回る日々でありました。

スーパーヘルパーと褒められて、(おだてられてと言った方が正解)とにかく難しいお宅の担当になると日々が続いていました。

地獄というか命がけといった感じの現場もあったのですが…楽しかったです。私は本当に楽しかったです。

老老介護、認知症が原因での事故など世間に悲しいニュースが流れだした頃、私は自身の体験を基にした作品「ギンノキヲク」を創作しました。

介護職に就いている人の応援歌のつもりでした。

介護がテーマということもあり、賞は意識してなかったのですが池袋演劇祭で大賞を頂きました。

「ギンノキヲク」シリーズは全部で四作ありますが二作目、三作目は利用者、四作目は介護士、利用者の家族の応援歌です。

全作品とも賞を頂けた事実は、世の中には介護という問題は身近になっていることが実感しました。

一昨年は大田区のおおた福祉フェス、昨年は調布市の福祉フェスタに参加させて頂き、「ギンノキヲク」を上演させて頂きました。

おおた福祉フェスの時は客席が全て介護の関係者という異様な雰囲気の中上演させて頂きましたが上演後に暖かいお言葉を頂きました。

大田区のおおた福祉フェスには劇場の隣に企業ブースがあり、多くの来場者があり就職の斡旋、便利な器具など紹介されていました。

昨年、池袋演劇祭にて優秀賞を受賞し今年9月に豊島区のあうるすぽっとにて公演をさせていただけることになり、

このあうるすぽっとには大きなホワイエがあり、そちらに企業の方に協力頂いて福祉、介護フェスタを開催出来ないかという思いが生まれました。

豊島区の演劇祭で大きくして頂いたラビット番長が何が出来るのか。

演劇は娯楽であり、楽しくあるのが当たり前ですが色々な方に興味を持って頂きたいイベントにしたいと思っています。

ラビット番長 井保 三兎